ボクらは言霊を使用する、そしてキミも。

言葉には精霊が宿り、いちどコトバになったコトは内容の吉凶に関わらず実現してしまうというのが言霊信仰なんですけど、
まあそんな霊妙な作用が現代にまで残っているのかどうかということは別として、なにかを判断したり評価したりするっていう場面においては
誰かが何かをぽつっと言うだけで、どれだけ権威のない人のどれだけ気のない一言だったとしてもそれがそのまま自分の意見になっちゃう、しかも知らないうちに。っていうことはけっこうあると思うのですよ。
特に評価対象への自分の評価ってのがまだとくに決まってない段階だとかなりこの作用って利いてくるんですよね。
たとえば、ある二人のあいだにどーでもいいようなことがあったようなときに、方便としてどっちかが謝って「いやいやいや」みたいな感じになることは日本人なら誰しもあることだと思うんですけど、
でもこれも気をつけないと、いつのまにか自分がちょっと相手より偉いみたいな気持ちになったり(謝られるほう)自分はだめなことをやらかしたんだとホントに思いだしてしまったり(謝るほう)っていうことにちょっと考えてみたらなってるってことがよくあるんですよ。
そんなに深刻じゃなくてちょっと気分が変わるぐらいの効果であることが多いので、意識してない人には全然わからないと思うんですけど。でも、これって危険なことだと思わないですか?
あるいは、よく知らないバンドとか本とかアイドルとか食べ物とかについて、友達がちらっと「ダメだ」と言うだけで自分までなぜかそれに触れるのを避けるようになる、とか、逆にここがいいよね、みたいな話になったあとで知らないくせに妙に好意的になったりとか。
たぶん明日から1ヶ月気をつけてもらえば何回かあるんじゃないかと思います。すでに俺はこの作用のせいで「新垣結衣=ちょっと普通っぽい」「時東ぁみ=けっこう(年齢的に)キてる*1」などの実害のない刷り込みを受けてしまってるようで、
気づいてる俺でさえなかなか印象を拭えないでいるのに知らないで過ごしてる人たちはどうなんだろうと思ってしまうわけなのです。
まあ自分が影響を受けるってことは相手も影響を受けるってことなので、恣意的にこれを使っていくっていうことも考えられるんですけど、自分で言ったことにもやっぱり影響されてしまうので注意したほうがいいみたいです。

*1:公称1987年生。年下だったんだ;