バイト言葉の正誤表。

「〜のほう」「〜になります」「〜円から」についてなんですけれども。
いわゆるバイトことばとして広く流布していながら一部の識者(自称)の人たちに蛇蝎のごとく嫌われているこの言い回しなのですが、
もちろん明らかによくない用法もあると思うんですけど、こういうのを使うべきであるシーンもあると思うんですよね。
ということでおれが勝手に正誤表を作ってみました。みなさんも正しくバイト言葉を使いましょう(何


「〜のほう」
誤「ご注文のほう確認させていただきます」
正「サイズのほうがトールショートグランデの3つから選んでいただいているのですが」
<寸評>
「〜のほう」というのはいまから何についての話をするのかを明言するための表現です。誤用例は「ご注文」をただぼかしているだけなので攻撃されるのだと思います。
とくに、そのお店独自の用語からなるサービスをお客様に説明して選択してもらう時に適しています。
何を選択するのかと選択肢のあいだに挟むことによって、お客様が考える準備をする時間を作ります。
婉曲的な表現なので字で書いて説明するとうさんくさいんですけど、騒がしい場所でのやりとりとか酔っぱらい相手のやりとりとかにはとても有効です。


「〜になります」
誤「こちらがミートスパゲッティになります」
正「こちらすべてブルーレイディスクになりますがよろしいでしょうか」
<寸評>
商品やサービスの性質を説明するための表現です。「〜となっています」の言い換えと考えればすっきりすると思います。
世に間違っていると言われて攻撃されるのは、上の例のように商品そのものを「になります」で説明しようとする場合です。
とくに、特殊な性質を備えた商品やサービスをお客様が選択したときに、その旨をお伝えして確認する場合に用いることが多いでしょう。


「〜円から」
誤「1,306円からお預かりします」
正「1万円からのお預かりでよろしいですか」
<寸評>
もっと細かいお金は出さないのね、という確認のための表現です。きっちり小銭をもらっているのに言うのは明らかな誤用でしょう。
「お預かりしました1万円のうちから今回お買い上げの分の代金をいただきますと、お釣りの量が増えてしまってお客様に不都合をおかけする可能性がございますが、それはお客様の本意にそうものでしょうか?」
という問いかけの短縮形です。まあ、「1万円からで?」と言ってお客様のほうを伺うぐらいでいいんじゃないですかね。
「1万円でよろしいですか」に「から」が付くのは「その金額から引くぞ」というニュアンスの付加のためでしょう。「1万円でよろしいですか」だと単純に金額を聞くことになるので、その後に「1万円でよろしいですか(代金は2万円なんですけど)」というのがつきそうな気がしないでもない気がしませんか(何