ムンク展 - Edvard Munch, The Decorative Projects@国立西洋美術館

同じ日にみました。なんというか、ムンクはすごかったです。
展示側の意図としては装飾としての側面を感じてほしかったらしいのですが、おれは装飾美術はよくわからないので通常通り臨みました。
えーと、マックス・リンデ邸の装飾というコーナーがありまして、リンデさんがムンクに子供部屋に飾る絵を発注したんだけど、最初のチェックのときにリンデさんが男女のモチーフとかは子供部屋に相応しくないと注文を付けたにもかかわらず公園の絵とかにベンチでいちゃつく男女をかいちゃったので結局作品は受け取られなかった、という一連の絵画があるんですけど、それはほんとうに生命というか夏というか、地球上にあるものの積極的な側面みたいのがでていました。
あとは、ムンクは死をキーワードに語られることが多いらしいんですけど、なんというか、やっぱり生命ってかんじでした。形の抽象化というか、人間なんてしょせんぐにゃっとしたかたまりで表現できて、それにはもちろん作家のタマシイをこめないといけないんだけど、っていう感じです。
公園の男女なんかはアクリル板に太極図を書いて上から溶剤で流したみたいな感じだったし。でもそこにテキトーさではなくむしろ本気さを見せる、というのがムンクという作家のタマシイだったんですかね。
とにかく非常によい経験でした。
なんていうか、あまねく創造行為は
やりはじめ→方法論がわかってくる→ピーク→つきつめすぎる(画家はたいていこのへんで老齢などの理由により死ぬ)→もちなおす(その後はつきつめすぎとの間を振動)orさらにいきすぎて崩壊(終了。新しいとっかかりがみつかれば始めから再スタート)
という手順をたどっているような気がする。俺はこの手順でいえば方法論がわかってくるあたりともちなおすあたりが好きです。